ホーム >ブログ一覧 >

片頭痛の新しい予防治療「アクイプタ(アトゲパント)」とは|効果・作用機序・副作用を脳神経外科が解説

公開日|

2026/3/5

更新日|

2026/3/5

片頭痛の新しい予防治療「アクイプタ(アトゲパント)」とは|効果・作用機序・副作用を脳神経外科が解説

片頭痛は、日常生活に大きな影響を与える慢性的な頭痛疾患です。
特に30代女性では仕事や家事、育児などと重なり、生活の質(QOL)を大きく低下させる原因になることがあります。

近年、片頭痛の研究が進み、CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)という神経ペプチドが片頭痛の発症に重要な役割を持つことが明らかになりました。

その研究成果をもとに開発されたのが、片頭痛の新しい予防薬「アクイプタ(一般名:アトゲパント)」です。

日本では2026年4月中旬に発売予定とされていますが、現時点では薬価は未定です。

アクイプタは従来の予防薬とは異なる作用機序を持つ新しい治療薬であり、片頭痛治療の新しい選択肢として注目されています。

この記事では、片頭痛の新薬アクイプタについて、
治療の位置づけ・作用機序・エビデンス・副作用・適応などを脳神経外科の視点から解説します。

片頭痛の概要

片頭痛は、日本で約800万人以上が悩んでいると推定される代表的な一次性頭痛です。

片頭痛の主な症状

  • ズキズキと脈打つような痛み

  • 頭の片側に起こることが多い

  • 吐き気や嘔吐

  • 光や音に敏感になる

  • 日常動作で悪化する

日本頭痛学会のガイドラインでは、片頭痛は三叉神経血管系の活性化による神経血管性頭痛とされています。

片頭痛の原因(病態生理)

片頭痛の発症には以下のメカニズムが関与すると考えられています。

  1. 三叉神経の活性化

  2. CGRPなど神経ペプチドの放出

  3. 脳血管周囲の炎症

  4. 痛覚伝達の増強

このCGRPの働きを抑える治療が、近年の片頭痛治療の重要なターゲットとなっています。

片頭痛の治療

片頭痛治療は大きく2つに分かれます。

急性期治療

発作が起きたときに痛みを抑える治療です。

主な薬には以下があります。

  • トリプタン製剤

  • NSAIDs(鎮痛薬)

  • 制吐薬

予防療法

片頭痛発作の頻度や重症度を減らすことを目的とした治療です。

日本頭痛学会「慢性頭痛の診療ガイドライン」では、以下のような場合に予防療法の検討が推奨されています。

  • 月に2回以上の片頭痛発作がある場合

  • 月に6日以上頭痛がある場合

  • 発作が強く日常生活に支障がある

  • 急性期治療薬が効きにくい

  • 急性期薬の使用回数が多く、薬物乱用頭痛のリスクがある

このような場合、急性期治療だけでなく予防療法の併用が重要になります。

アクイプタはこの片頭痛予防療法に位置づけられる薬です。

アクイプタとは(治療の位置づけ)

アクイプタ(一般名:アトゲパント)は、CGRP受容体拮抗薬(gepant)に分類される片頭痛予防薬です。

日本では2026年4月中旬に発売予定とされていますが、薬価は現時点では未定です。

CGRP関連治療には

  • 抗CGRP抗体製剤(エムガルティなど)

がありますが、これらは注射薬です。

一方アクイプタは

1日1回の内服で片頭痛を予防する治療薬

という特徴があります。

作用機序(病態生理レベル)

アクイプタはCGRP受容体拮抗薬です。

CGRPとは

CGRP(Calcitonin Gene-Related Peptide)は三叉神経から放出される神経ペプチドで、次の作用があります。

  • 脳血管の拡張

  • 神経炎症の誘発

  • 痛覚伝達の増強

片頭痛発作時には血中CGRP濃度が上昇することが知られています。

アクイプタの作用

アクイプタはCGRP受容体を阻害することで

  • 血管拡張の抑制

  • 神経炎症の抑制

  • 痛覚伝達の抑制

をもたらし、片頭痛発作の発生を予防します。

エビデンスレベル

アクイプタの有効性は複数の国際臨床試験で検証されています。

代表的なランダム化比較試験(RCT)では

  • 月間片頭痛日数(MMD)の有意な減少

  • プラセボと比較して統計学的有意差

が確認されています。

CGRP受容体拮抗薬は、国際頭痛分類(ICHD)に基づく片頭痛患者において有効な予防療法の一つとされています。

副作用

臨床試験で報告された主な副作用は以下です。

  • 便秘

  • 吐き気

  • 倦怠感

多くは軽度とされています。

従来の予防薬で問題となることがある

  • 眠気

  • 体重増加

  • 血圧低下

などが比較的少ない可能性がある点も特徴です。

ただし副作用には個人差があるため、医師の管理下での使用が重要です。

禁忌・注意点

以下のような場合は慎重な判断が必要です。

  • 重度の肝機能障害

  • 特定薬剤との併用

  • 妊娠・授乳中

詳しくは医師による診察のうえ判断されます。

保険適応

日本では片頭痛の予防治療として保険適用が想定されています

ただし発売時点では薬価が未定のため、実際の自己負担額や処方条件については今後決定される予定です。

実際の適応や処方については、診療ガイドラインや保険制度に基づき医師が総合的に判断します。

従来治療との比較

従来の片頭痛予防薬には以下があります。

  • β遮断薬

  • 抗てんかん薬

  • 抗うつ薬

これらは本来は別の疾患の薬を転用した治療でした。

一方アクイプタは

片頭痛の病態(CGRP)に直接作用する薬

という点が特徴です。

また

  • 注射ではなく内服

  • 片頭痛に特化した作用機序

という新しい選択肢となっています。

検査について(MRIの役割)

頭痛の原因は片頭痛だけとは限りません。

以下のような脳疾患が隠れている場合もあります。

  • 脳腫瘍

  • 脳出血

  • 脳動脈瘤

  • 脳梗塞

特に次のような場合にはMRI検査による脳疾患の除外が重要です。

  • 初めて経験する強い頭痛

  • 今までと性質が違う頭痛

  • 手足のしびれや麻痺などの神経症状を伴う頭痛

脳神経外科では、危険な頭痛と片頭痛を鑑別することが重要な役割になります。

脳神経外科を受診すべき理由

頭痛の原因は多岐にわたります。

脳神経外科では

  • 脳疾患の除外診断

  • MRIによる精密検査

  • 片頭痛の専門治療

を行うことができます。

特に以下のような場合は受診を検討してください。

  • 頭痛が慢性化している

  • 市販薬が効きにくい

  • 頭痛の回数が増えている

  • 予防治療を検討したい

当院の片頭痛診療

当院では片頭痛に対して以下の診療を行っています。

  • 頭痛専門の問診・診察

  • MRIによる脳疾患の評価

  • 片頭痛の急性期治療

  • 片頭痛の予防療法(新しい治療薬を含む)

患者さんの症状や生活背景を考慮し、無理のない治療方針を提案しています。

まとめ

片頭痛は多くの方が悩む疾患ですが、近年は治療の選択肢が増えています。

アクイプタは

  • CGRP受容体拮抗薬

  • 片頭痛に特化した予防薬

  • 1日1回の内服治療

という特徴を持つ新しい治療選択肢です。

日本では2026年4月中旬に発売予定で、薬価は現在未定とされています。

頭痛の原因には脳の病気が隠れていることもあるため、
症状が続く場合は脳神経外科での診察やMRI検査が重要です。

頭痛でお困りの方へ

頭痛が続く場合や、片頭痛の予防治療について相談したい場合は、専門医への相談をおすすめします。

当院では頭痛の診断と治療、MRIによる脳の検査を行っています。

詳しくは下記をご覧ください。
https://www.idogaya-nouge.com

井土ヶ谷脳神経外科の頭痛外来はコチラ

〒232-0052
神奈川県横浜市南区井土ケ谷中町158
アクロスキューブ井土ヶ谷 3階

045-326-6438

045-326-6438

休診日:日・月・祝

お車・タクシーでお越しの方

首都高速神奈川3号狩場線 花之木ICから5分 近隣のパーキングをご利用ください。

電車・バスでお越しの方

京急井土ヶ谷駅 改札出て右側へ、徒歩1分

© 井土ヶ谷脳神経外科・内科 頭痛・めまい・しびれクリニック

https://www.idogaya-nouge.com/recruit